いまさらですが、3月に最終回を迎えたエウレカセブンについての感想です。
エウレカセブンは、私は昨年5月ぐらいから見始め、エウレカセブンのビジネスモデルと感想という文章もこのブログに書いています。
昨年一年間、エウレカセブンのホームページを立ち上げようかなーと考えながらみていたのですが、結局作らずに終ってしまいました。
最終回まで見終わってみて思ったのは、私的にエウレカセブンで一番盛り上がっていたのは、20話だいの前半部分、つまりレントンが家出(?)してから戻るまでの部分です。
とくに、ボダラクの少女を救おうとする話なんかが、私的にはベストエピソードでした。
あのあたりを見ていた頃は、ホームページ作成に熱意をもち、いろいろネタ集めなどもしていたのですが・・
監督インタビューなどで、「後半は怒涛の展開」という発言があったので期待していたのですが、私としては、後半から、むしろ停滞感がありました。
一般に、物語をクライマックに向けて盛り上げるには、物語の進行(謎の解明や戦争の終結など)と、登場人物の人間関係という2つの要素があります。
エウレカセブンは、物語の進行は後半いろいろあったと思うのですが、人間関係の緊張という意味だと、後半はほとんど緊張感(このキャラとこのキャラの関係はどうなるんだろう?)がなくなってしまったような気がしました。
レントンとエウレカが仲良くなり、それまでのレントンの不安感がなくなりました。
ホランドとレントンの関係もとりあえず安定し、一方、タルホは髪を切ってから、怒鳴るだけのワンパターンなつまらないキャラになってしまったような気がしました。
後半における登場人物の緊張関係(視聴者から見た興味の対象)は、
味方:父や姉の失踪の謎
敵:デューイの狙いや動機の謎
といったところが焦点になるわけですが、
前者はほとんど描かれることはなく、後者も、ようやく実現したデューイとホランドの直接の対決も「弟のお前は私には勝てんのだー!」みたいな、北斗の拳を思い起こさせるようなセリフを言われ、かなりガックリきてしまいました。
デューイのあり方としては、以下の3パターンのどれかの方が良かったのではないでしょうか?
①彼がもっと存在感をもち、深みのある思想と発言を行なうキャラとする。少なくとも、視聴者からみて、彼のような考え方もあるよなー・・と考えさせるように。
②いっそ本格的に兄弟喧嘩の確執を中心のネタにして、イデオンや北斗の拳のような盛り上げ方にする。
③何もしゃべらせず、雰囲気だけでおす(エヴァのゲンドウのように)。「金枝編」だけ持ち歩くキャラにしておいてくれれば、後は私のような解釈好きの人間は理屈をいろいろ考えて楽しむ。
さて、エヴァンゲリオンなんかは、謎の解明が進むのと並行して、登場人物の人間関係の緊張関係がどんどん増し、視聴者の関心をひきつけていきます。
富野アニメなんかでも、物語がクライマックスに近づくにつれ、物語の進行(戦争の勝敗)とは別に、とにかく登場キャラの人間関係の緊張感が増していきます。
しかし、エウレカセブンでは、先ほどから書いているように、物語の後半の人物関係の緊張感をもたらす展開が今一歩であったために、話がクライマックスに向け盛り上がるというより、むしろ停滞している気がしたのだと思います。
それに比較し、中盤では、レントンとエウレカ、レントンとホランド、レントンとレイやチャールズの関係など、どれも興味深いものがあり、なんだかよくわからないデューイとホランドの関係ふくめ、うまく緊張感がまわっていた気がします。
その意味では、レイとチャールズが中盤で消えたのは痛かったと思います。いいキャラでした・・。ガンダムにおけるアムロの家出(ホワイトベースから)とランバラルやハモンとの出会いと同じ展開なのですが、ガンダムにおいては、ランバラルがいなくなってもOKで、シャアという強力なキャラがいたために、人間関係の緊張感はどんどん増して行きました。(アムロとララァ、シャアの三角関係、セイラとシャアの兄弟対立など・・)
ガンダムにおけるシャアのように物語を引っ張れる人物がいない以上、レイとチャールズ関連は中盤で一度締めるにしても、レイだけでも温存し、最終回に向けて再度話しを展開させ、最終回(もしくはその1話前)はレイとホランド、タルホの最後の対決と、そこで板ばさみになるレントンとエウレカ、全てを操るデューイ、ぐらいの構成になってれば、最後まで面白く見れたような気がします。(ついでにレイとチャールズの、レントンの父への憎しみネタもからめて父を登場させれば、充分すぎるほどです。今からでも見たい展開。)
以上、登場人物の中盤から終盤までの描き方や構成に文句を書いてきましたが、本当にそれが本質的な問題かというと疑問もあります。
正直言って、全体として、面白い話と面白くない話のレベルが平準化されていなかったというか、序盤は単調な話が多く、終盤は盛り上がりにかけたというか・・
これまで多くのアニメを見てきましたが、途中から、毎回(悪い意味で)脚本家の名前をチェックした作品は初めてです。脚本家によるバラつきがあるのかと考えたためです。しかし、いまひとつ、はっきりとはわかりませんでした。
もしかすると、もともと全部で二十何話かだった予定の作品を、五十話の作品に拡張した段階で、無理があったのかもしれません。
鵜之沢伸常務取締が、「あの品質で1年間やれば絶対人気が出るはず」とどっかのインタビューで以前語っていましたが、このへんの判断(半年より1年の方がいい)に問題があったのかもしれません。
むしろ、半分の話数に詰め込めば、かなり高密度で緊張感ある展開になったのではないでしょうか?
さて、エウレカセブンはもともとゲーム市場を狙ったという作品でもあり、私も、最初のゲームは買いました。
なんといっても、あの魅力的な飛翔感を味わいたかったからです。
ゲームの出来もよく、満足しながら進めていたのですが、いよいよ最後になってLFOで空中が動けるところまでいったとたんに、「!」と思いました。飛翔感やスピード感がいきなり消滅したのです。LFOに搭乗せず、人間でやってた頃の方が、スピード感があるとは・・
そういうわけで、それ以上ゲームを進める気がうせ、PS2の2作目のゲームはやっていません。
バンダイもエウレカセブンへの期待を失ったのか、1作目はあれほど小冊子SIDE-Bで宣伝していたのに、PS2の2作目の発売時には、SIDE-Bでは表紙からタイトル名さえ消えていました。(目を疑って全ページ探すと、最終ページにのみ紹介がありました・・)
なんというか、エウレカセブンという作品は、コンセプトはいいし(後半ソラリスっぽくなる展開もいいと思います)、演出(空のサーフィン)も、ロボットもかっこいいし、音楽、キャラデザインともいいと思うのですが、肝心なところが弱かった気がします。
いろいろ書きましたが、もしかすると、私が歳とってロボットアニメを視る年齢ではなくなったということかもしれませんし、作品の対象年齢が若干低め(レントンの設定からいって中学生)なのかもしれません。そんなことまで考えながら、1年間見ていました(私の年齢からすると感情移入するのはホランドやチャールズのグループであり、2番目か3番目の主題歌はそのへんをテーマにしていたので、そういう30代的な視点ででも楽しめれば良かったのですが・・)
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