« ヤマト、ガンダム、宮崎アニメ、エヴァンゲリオン、ゲド戦記における人種問題1 | Main | イデオンのページ更新 »

October 13, 2006

ヤマト、ガンダム、宮崎アニメ、エヴァンゲリオン、ゲド戦記における人種問題2

さて、前回に引き続き、アニメの人種問題の話です。

しかし、その前に、前回頂いたご指摘をもとに、宇宙戦艦ヤマトについて、若干話を整理しなおします。

まず、私が書いた前回の趣旨は、

大和を復活させてヤマトとし、日本人だけでデスラーと戦うというストーリーは、太平洋戦争の敗戦コンプレックスからきているように読みとれる。

ただし、西崎氏も松本氏も、そういう話を最初から作ろうとしていたわけではない。

ということでした。

それに対し、ご指摘いただいたのは、

1.デスラーなどは、白人は白人でも、アメリカというより、ナチスからきている。

2.ヤマト以前、おもちゃにおいては「大和」が人気アイテムであった。

ということでした。

これらのご指摘を踏まえて考え直してみるに、大和を復活させてヤマトとするというアイデアは、反米というよりは、単におもちゃを「大和」にかこつけて売ろうという、スポンサーサイドの意向だったのかもしれません。

また、全員日本人というアイデアも、思想的なものよりは、当時のウルトラマンや戦隊物のイメージに近い(基本的に日本人のみで地球を守る)のかもしれません。(つまり、おもちゃ屋さん的には、いつもと同じ自然な流れ。)

また、白人vs日本人という構図も、反米というよりは、むしろ、アメリカではなく日本こそが打倒ナチスという、正義の味方の役割をやれたら、かっこよかったんだけどなー・・という、当時の少年達の気持ちが反映されているのかもしれません。

また、ヤマトの「特攻」についても、もともとヤマトは初期の企画書でもほぼ全滅設定だったため、大和の特攻とはあまり関係ないのかもしれません。

ついでに言うと、テレサやスターシャのキャラも、松本氏のいつもの作品と通じるものがあり(メーテルやら千年女王やら)、モデルは奥さんとの説もあることから、それほど白人コンプレックスというわけではないのかもしれませんが・・

このへんは、まだ実態はわからないところもありますが、以上のような可能性もあるという前提で、次に進みたいと思います。(つまり、私が前回書いたのとは逆に、ヤマトに敗戦コンプレックスや欧米コンプレックスをあまり見ない解釈もありうるということです)

さて、次はガンダムです。

宇宙戦艦ヤマトに少しだけ関わり、西崎氏と喧嘩別れした富野氏は、「ヤマトをつぶせ!」という一念で、「機動戦士ガンダム」を作ります。

(注:このへんの詳細は、ガンダムのホワイトベースはなぜヤマトより強いと言い切れるのか?を参照ください。)

ここで、富野氏は、あたかも、日本人だらけであるヤマトに対するアンチテーゼであるかのように(?)、主要キャラから日本人を外しました。

ハヤト・コバヤシは日系ですが、柔道やったり背が低かったりと、ステレオタイプのかっこわるい(?)日本人となっていました。

また、主人公のアムロも、人種的に曖昧にみせていました(初期資料には漢字ネーミング版もありましたが・・)

そして、主要人物には黒人(リュウ)もいれようとしました。

つまり、白人、黒人、東洋人など混成チームでホワイトベースのクルーを構成することで、宇宙世紀の未来を表現しようとしたわけです。

この辺の意識はヤマトとは大きく異なり、スタートレック並みです。

推測ですが、スタートレック並に人種問題に配慮することで、ヤマトの設定の古さを、明確にしようという意志があったのではないでしょうか?

ところが、アニメにおける黒人というものは、当時、表現上もめる面がありました。(具体的には、サイボーグ009における黒人表現が抗議を受けたりした)

そこで、スポンサーが黒人をクルーにすることを嫌がり、結局、彼(リュウ・ホセイ)は、黒人ではなくなりました。

もっとも、それまでの日本の作品で、人種問題をそこまで意識している作品はあまりないため、普通の人は誰も気にとめませんでした。

ところが、一人だけ、ホワイトベースに黒人がいないことに疑問を呈し、突っ込みを入れた人がいました。

現スタジオジブリの高畑勲氏です。

彼は、いくら009の問題があるとはいえ、スペース・コロニーの時代に黒人が不在なのはおかしいと、ガンダムの設定の不備を指摘しました。

打倒西崎氏、打倒スタジオジブリを目指す富野監督としては、おそらく、これは、気にしないわけにはいかない指摘だったのでしょう。

ガンダムというのは、基本的に、高畑氏や宮崎氏、富野氏などが製作した「アルプスの少女ハイジ」と同じで、白人の金髪のお姫様(お嬢様)ものなのですが(セイラにしろ、F91のヒロイン(名まえ度忘れ)にしろ、カテジナにしろ、ディアナ様にしろ)、富野監督は、とにかく黒人も出さなくてはと思い続けたようです。

ついに、Vガンダムでは念願かなって、とうとう主要メンバー複数人の色を黒くし、そのことを誇らしげに語っていました。その中には、ヒロイン(?)のシャクティも含まれていました(インド系のイメージかな・・)。

そして、ターンエーガンダムにいたり、主人公の色までも黒系にすることになりました。

こうして、ガンダムの人種問題は、20年もかけて、いちおう、一区切りついたのでした。

以下、続く・・

|

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/95880/12261032

Listed below are links to weblogs that reference ヤマト、ガンダム、宮崎アニメ、エヴァンゲリオン、ゲド戦記における人種問題2:

» 日帰りバスツアーで素敵な思い出作りませんか?【日帰りバスツアー情報館】 [日帰りバスツアーで素敵な思い出作りませんか?【日帰りバスツアー情報館】]
日帰りバスツアーで素敵な思い出作りませんか?【日帰り旅行情報館】 厳選日帰りバスツアー情報・グルメ・温泉・お土産情報!! 読売旅行 JTB 近畿日本ツーリスト 赤い風船 阪急交通社 日帰りバスツアー はとバス 団体 タビックス  蟹 さくらんぼ 桃 巨峰 梨 食べ放題 グルメ トラベル 味覚狩り 土産 ディズニーランド 富士急ハイランド  USJ スキー場  旭山動物園 温泉 コ... [Read More]

Tracked on October 14, 2006 at 08:22 PM

» スタートレックオフィシャルカード-【限定特典あり!】スタートレックオフィシャルカードお申込み!! [注目ワード]
【特典】■ 入会費、年会費無料(2年目以降も無料です。) ■ ここでしか手に入らない、スタートレックオフィシャルカードオリジナルグッズが手に入る!キャンペーン期間 : 2005年12月1日���2006年11月30日条件 : キャンペーン期間中、スタートレック... [Read More]

Tracked on October 24, 2006 at 11:25 AM

Comments

「ファースト」におけるララァ・スンの存在についても触れるべきではありませんか?

Posted by: Hi-Low-Mix | October 14, 2006 at 10:34 AM

そうですね。メインキャラ(ホワイトベース乗組員)にはいれられなかったけど、重要な役どころで後にいれていましたね。
(スポンサーが細かくチェックしたのは、番組開始ぐらいだったのかもしれません)

ララァがいたから、あの時、視聴者はガンダムの人種的な構成の問題など、気にならなかった面もあるかもしれません。

ガンダム(ファースト)の人種構成が問題だと言っているのは、富野監督本人と、高畑氏ぐらいからしか聞いたことないので。

Posted by: yasuaki | October 15, 2006 at 09:41 PM

Post a comment