30代での挫折について(ホリエモン逮捕に思う)
ホリエモンの逮捕について書こうと思うのですが、その前に若干個人的な体験を。
私は、今までにも何度か書いてきましたように、20代から築いてきた(というほどでもないが・・)仕事を、おととし、辞めざるをえなくなりました。(ホリエモンと同じ33歳のとき・・)
(参考)つまらない話ですが、興味ある方はあるアナハイム社員の話シリーズを・・
事情はいろいろあるのですが、ともかく、自分でいちから立ち上げたという自負がある仕事だっただけに、ショックは大きいものがありました。
そして、今までの経験とはあまり関係ない業務に入ったわけですが、なかなか30すぎてからの転職は想像以上に難しいものがあるなーというのが実感です。
それはさておき、自分が第一人者だと考えていたにも関わらず、追い出されることになった(自分から出た?)私は、傷心の中で、あることに気づきました。
20代に大変頑張った結果、30すぎてから職を失う人がいかに多いか・・
宮崎駿監督は、「カリオストロの城」のあと仕事がなくなり(興行成績が悪く、ホサれたという話あり)、半年間自宅にいたそうです。
そこで、本当はやりたくない漫画の仕事を受けたのが「風の谷のナウシカ」でした。
さらに、漫画用に作っていた「風の谷のナウシカ」を急遽映画にしろと言われ、本当は嫌だったにも関わらず、職場に復帰できる唯一のチャンスだったため受諾。
結果、映画版「風の谷のナウシカ」は大ヒットし、後の世界的な活躍へとつながる礎を築いたのでした。
ガンダムの富野監督は、絵コンテ千本切りと言われる仕事ぶりで、自負もあったにも関わらず、社内評価は低く、虫プロを出奔せざるをえなくなります。
そして、結局30代なかばで、アニメ界からの転職を決意します。一時は一ヶ月の収入がゼロになり、プラモデルで身をたてようと、自宅でプラモデル製作の練習をする日々が続いたそうです。
しかし、その後、サンライズでの仕事がはじまり、数年後には「機動戦士ガンダム」の大ヒットを迎えます。ほぼ全作品に見られる、主人公達一行の、寄り添うもののない不安定な感じは、富野監督の転職・無職時代が反映されていると私は見ています。
アニメネタばかりなのもなんなので、別業界で一例あげると、このブログでも取り上げたアップル創設者のスティーブ・ジョブズの例があります。
自分たちが出しうる最高の作品、マッキントッシュを発表してたった1年後、30回目の誕生日を迎えたその矢先に私は会社を、クビになったんです。
彼は、30歳で、自分が作った会社から追放されました。
彼の苦労と現在のiPodでの大成功へといたる感動の物語は、是非こちらで読んでみてください。
ともかく、私は、30すぎてから、自分の職場を追い出された(もしくは出て行かざるをえなかった)人達が、その後、苦労をバネにして大成功を遂げる例が多いのをみて、大変勇気づけられました。
また、同時期に連載されていたスピリッツの「昴」の中で、科学者(だったかな?)が恩師から受け継いだ言葉「生きてさえいれば、全てのことは私を強くする」(うろ覚え)にも感銘を受けました。
さて、転職した私が今後大成功を遂げるかどうかはおいておき、ホリエモンの話に戻ります。
彼がどうなるかは、今の時点ではまだ何とも言えません。
ただ、もし、万が一(?)、今まで築いてきたものを全て失うことになったとしても、30代前半での挫折というものは、たぶん、より大きくなるためのステップみたいなものだと私は思います。
10年、20年後には、きっと、「あの経験があるからこそ、今の自分があるんです」と、胸を張って言えるようになるのではないでしょうか。




Comments
いつも興味深く読ませていただいています。
「生きてさえいれば、全てのことは私を強くする」
初めて知りました。とても感動しました。
私は今年大学を卒業予定なのですが、就職もきまっていません。教職志望を理由に就職活動もやりませんでした。将来がとても不安です。立ちすくみ形のNEETになりつつあります。スタートすることから逃げ続けた自業自得の結果であるという自覚はしています。
皆様方とは違ってレベルはまったく低い話ですが、このへこむ日々に、記事を読んで少し元気がいただけました。
ありがとうございました。
Posted by: らいおん | January 26, 2006 at 12:39 AM
彼はまだ30代なのですよね。。。大騒ぎしていますが、普通に30代の若者に向けた暖かいまなざしというのは、あまり見たことがなかったような気がして、これを読んで少しほっとしました。踊っていたのか、踊らされていたのか、分かりませんけれど、きっと才能はある人なのだから、あまり惨めな人生にはなってほしくないという気もします。
富野さんがガンダムをやったのが40ぐらいの時というのを最近改めて意識してたのですが、30代での挫折は確かに彼に、他の作家にはない可能性を与えていますよね。。。
Posted by: 囚人022 | January 26, 2006 at 11:15 AM
らいおんさんは今年卒業ですか・・いろいろ不安だと思います。私も、あの言葉には感動しましたが、それ以外にもスティーブ・ジョブスが言っているように、何をやろうと全てはきっといつか結びついて上手くいくんだと信じることも、大切だとお思います。普通に就職することだけがいい道では全く無いので、あとは、何でもいいからいろいろやって、それらが上手くまわるのを待てばよいのではないでしょうか。
とりあえず大事なのは、生きて、いろいろ経験することだと思います。
(去年、会社の同僚が働きすぎで3人の子をおいて亡くなったり、学生時代の友人が自殺したりしてしまったのを見て・・つくづくそう思います。もっと別な生き方があったのではないか?と・・)
囚人022さんのおっしゃるように、ホリエモンはまだ30代なので、きっと立ち直るでしょう。
大体、一般に、財閥きずくような人々は、人に言えない怪しいことをさんざんやってたような気がしますし・・
Posted by: yasuaki | January 27, 2006 at 07:46 AM
私の父も最近、会社を追われました。会社の方針で社長と揉めていた時に、父はある仕事を上司から渡されました。その仕事は誰の目から見ても採算がとれないことが分かっており、誰もやりたがらなかったそうで、父も分かっていたそうです。しかし、誰かがやらなければいけないと思いやったそうで、毎晩遅くまで会社に残り、家に帰って来れないこともよくありました。体調を崩しながらも仕事を終わらせました。しかし、結果は、その仕事の責任をとらされて会社を追われました。幸い、同じ様な状況で父の会社を辞めた方がいたので、新しい仕事先はすぐに見つかりました。このことを父は、あまり気にしていないように見えたのですが、この記事を読んで、やはり長い間いた会社を辞めることに私達、家族が見てない所で色々悩んでいたのかな、と思いました。
Posted by: ピエロ | January 28, 2006 at 02:11 AM
三十代も今年を入れて後二年。仕事をし始めて早十八年。色々あったが、会社は所詮一社員の為には何もしてくれない。一昔前のように会社のために人生捧げるなんて馬鹿をみるだけだ。会社は金を稼ぐためだけの場所と割り切る事も時には必要だ。ならば自分のおもうままに生きていく方がましだ。人間健康でさえあれば幾らでもやり直しはきくのだから。ホリエモン、TVに出始めた頃から計算高そうで苦手だった。「金で買えないものは無い」そう言い切った彼は、金の切れ目が縁の切れ目となりないのか? 今後どれだけの人が彼に手を貸すのか見ものだ。
Posted by: 猫男爵 | January 29, 2006 at 11:20 PM
ピエロさんのお父さんも、きっと凄く悩まれたと思うのですが、家族には心配かけまいとしていたのでしょう。とても立派です。気持ちも、事情もよくわかります。
猫男爵さんの言うように、健康第一で、おもうままに生きていくのが一番だと思います。
最近、ルパン3世のページをアップしていて気付いたのは、宮崎監督が、カリオストロの城におけるルパンの位置づけを、「金にも飽きた人間」と書いており、いいなー、そういう境地に達してみたいものだと思いました。
Posted by: yasuaki | January 31, 2006 at 11:51 PM