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July 16, 2005

Vガンダムとはなんだったのか(Zガンダムからエヴァンゲリオンへ)

Zガンダムの映画にあわせ、テレビ版を全編見直していたいきおいで、Vガンダムももう一度全編見直してみました。(時系列にあわせ、富野作品の近作は一通りちゃんと見直して、富野監督ページでそれぞれ考察したいと思っています)。
以前見たときは、正直、途中で嫌になってしまっていたのですが、今回、続けて最後まで見たことで、また印象も変わりました。

といっても、以前見ていて不快に感じたり疑問に感じた点はそのままで、かなり「?」である作品である点には変わらないのですが・・富野監督の当時の精神状況や病との関係(?)は、ちゃんと押さえておく必要はあると思います。

以下、考えた点です。

①たしかに、富野監督のガンダムシリーズであるということ
これは、どういうことかというと、テーマとしては、Zガンダムでシロッコが言っていた、

「次は女の時代だ」
「地球には癒しが必要だ」

といった言葉をそのままテーマとしていることです。

Zガンダムの製作時点で、富野監督の中には、「戦争後の女性による癒しを利用した地球支配」の構想があり、結局シロッコとレコア、サラの死によって描かれることはなかったのですが、テーマとしては追求したかったのでしょう。
女性支配によるマインド・コントロールの可能性を描きたかったのだと思います。
それが、マリア崇拝とギロチン、さらには天使の輪によるマインド・コントロールだったのでしょう。

一言でいえば、「戦う女神パラス・アテネから、マリア崇拝へ」という、ギリシア史からキリスト教の誕生への変化をそのままガンダム史がなぞっているといえます。(もっとも、歴史的には、聖母崇拝の方がよほど根が深いのですが。しょせん、レコアは戦う戦士であり、聖母にはなれなかったのかもしれません。)

②同じ演出の反復度合いが高いと言うこと
演出として、何度も繰り返されるのが、男女の悲恋(一緒に死んだり、片方だけ死んだり)
また、特攻も、数ある富野作品でも最大頻度で行われます。
しかも、何でここで?という感じで、動機面でも疑問が感じられ、結果としても犬死な点が多いのが特徴です。
あとは、とにかく、敵に捕まって、そこから逃げ出してと言うパターンが繰り返されます。
もうひとつ、とくに終盤は、とにかくキレた女の人が次々に出て、「坊やー!」の連呼となります。

これらの演出は、本来は、
・子供(赤ん坊~少年少女)に未来を託すこと
・子供を生む女性と生まない女性
・感情に生きるひとと主義に生きるひとの対立

といった、いつもの富野監督のテーマと結びつくものですが、イデオンやZガンダムに比較すると、テーマとの結びつきがうまく言っておらず、演出だけが繰り返されてしまっているような感があります。

③エヴァンゲリオンを生み出した作品であるということ
・老人による、人類を幼年期に戻す計画
・指揮官としての父との距離感、母が作ったマシン
・精神攻撃(過去の記憶映像表現)
・あんまり変化しない主人公
・キリスト教モチーフの多用(天使、聖母など)→使徒とエヴァへ
・ロボットものというよりは、神話イメージに近づいたキャラ(羽根をつけたガンダムと、怪獣チックな敵キャラ)

庵野監督が、(スタッフとして参加したこともありますが)Vガンダムをとにかく評価していました。
Vガンダムが持っていた興味深い要素を、再構成して作り直すと、エヴァンゲリオンの特徴的な演出につながっていきます。
これらと、Zガンダムのラストの劇場での演出を加えると、エヴァの有名な演出は、ほとんど全て富野作品からきているような気もします。

また、最後のカテジナとの戦いは、スーツの色まで含めて、アスカを思い起こさせます。エヴァ劇場版でアスカの顔が変わっていましたが、そのへんも、カテジナの顔に通じるものがあるのかもしれません。もちろん、劇場版ラストでのアスカとシンジの葛藤みたいなものも。

④ウッソとカテジナ
ウッソとカテジナの関係は、Vガンダムだけの話というよりは、私には、富野全作品通じてのテーマがつめられすぎていて、この作品だけ見ると意味不明に近くなっている気がします。

・主義に生きるものと感情に生きるもの(両方の役をカテジナは話によって変えながら一手に引き受けています)
・男女の対立
・ライバルが最後の最後で融和すること(してませんが・・)
・大人と子供の対立
・かつての仲間を裏切る女性(男性もいますね・・)

・階級格差(お嬢様と庶民)

これらの富野監督の特徴的な演出が全て詰め込まれていて、なんだかわからなくなっているというか・・
しかし、ラストが非常に印象深いことは確かです。(テーマとしては、やはりわかりにくいけど)

以上、Vガンダムに対する複雑な思いを書いてきましたが、私なりの結論をひとことで言うと、単品で見るより、富野作品の流れの中で見た方が、理解できる作品というところでしょうか?

逆に言うと、単品としてみると、やはり問題点は多々あると思います。

たしか、Vガンダムの評論本が出版されていたと思うのですが、それを読んだ上で、自分の意見に独自性がありそうだったら、Vガンダム評論ページを作成するかもしれません。

その場合、上に書いた論点を、より明確に展開するページになると思います。

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Comments

Vガンダム論 第一章を興味深く拝読しました。
いささか不しつけですが、いくつか疑問をもちました。
まず、「クルーが、老人達」であるという点を強調されている点です。私見ですが、「老人」というモチーフを採用した理由は、当時流行していたからだと考えます。「AKIRA」、「老人Z」、 八宝斎 in らんま1/2、ドーラ in ラピュタなどです。とくに最後にあげたドーラの影響を強く感じます。また富野的世界観として「赤ん坊」というモチーフにも触れられていますが、これは「ふしぎの海のナディア」の最終回でも取り上げられています。

Posted by: himikonishinomaru | December 30, 2005 at 09:55 AM

 さらに、母系主義はコンVから、天使はダイモスから、ギロチンはベル薔薇から、つまりモチーフの多くを長浜忠夫アニメから引用しているようです。そもそもVガンダムのVはvictoryの頭文字と同時にコンVのVであることは間違いありません。
 蛇足ですが、「人類の幼児化」というコンセプトは、「一億総白痴化」と言換えられるきわめて古典的なテーマです。

Posted by: himikonishinomaru | December 30, 2005 at 06:16 PM

「かつてのスーパーロボットの時代」という表現にも疑問を感じます。そもそもスーパーロボットとリアルロボットという対語(以下S&Rという)は「スーパーロボット大戦」というゲームから聞かれるようになったコンセプトだと思います。つまりS&Rは、ゲームを成立させるために便宜上導入された枠組みであって、このゲームを離れて使用してはナンセンスです。もう少し具体的に書きましょう。S&Rのスーパーは、マジンガーZにより近い世界観をもったアニメを分類しています。S&Rのリアルは、ガンダムにより近い世界観をもったアニメを分類しています。ロボットのデザインとは直接関係ない分類です。第一、ファーストガンダムにも「化け物的」ロボットは多く登場しています。それでは「化け物的」デザインとは具体的に書けばどういったことでしょうか。それは機能を追究した結果、形態はヒトのプロポーションから離れてしまったデザインといえると思います。シャアの「足なんて飾り物ですよ」というあまりにも有名なセリフを想い起こすまでもないでしょう。

Posted by: himikonishinomaru | December 30, 2005 at 08:15 PM

いやーっ、まあ、ギロチンはベル薔薇からとまで言われてしまえば、私としてはあまり自説を強く主張する気もしないのですが・・
まあ、とりあえず、「赤ん坊」というコンセプトは、よくあるテーマとはいえ、「ナディア」よりずっと前に富野監督自身が、ガンダムの元企画であるガンボーイで構想し、ガンダムの次作でもあるイデオンではメインテーマだったということだけ書いておきます。「人類のエゴの破壊による幼児化」についても同様です。このへんはイデオンのTV版および映画の発動編なんか見てもらえるとわかると思います。
「老人」というテーマについては、ウソか本当かはともかく、富野監督自身は、また別な理由で説明しており(Vガンダムページにも掲載予定ですが)、私はあえて深読みでそれとは異なる解釈を書いたのは確かです。その意味で、異見が出るのは納得です。(まあ、AKIRAを出すならマモーもあるし、ドーラの影響を言うなら他の宮崎アニメや富野監督も関わったハイジなどもあり、影響をどこまでみるかは各人におまかせですが・・)

Posted by: yasuaki | December 30, 2005 at 08:34 PM

 「赤ん坊」というモチーフは「機動戦士ガンダム」の「ニュータイプ」というコンセプトを破壊するために導入された、といったような論旨であると受け止めてよいのでしょうか?
 富野氏の「Vガンはこれまでの世界観から断ち切る」といったような趣旨の言葉を引用されていますが、「これまでの世界観」というのは所謂、宇宙世紀のことに限局していると解釈するより他はないのでしょうか。確かに、もし、「これまでの世界観」にイデオンを含めてしまうと、Vガンとイデオンは「赤ん坊」に象徴されるコンセプトを共有していますからいささか挑発的に書けば「Vガンはイデオンの二番煎じ」になってしまいます。

Posted by: himikonishinomaru | December 30, 2005 at 08:55 PM

ごめんなさい。上記のコメント、読み辛いですね。
第一章で書かれている内容を、独断で解釈して図式的に要約すると、
ガンボーイ(赤ん坊)

ガンダム(ニュータイプ)

イデオン(赤ん坊)

Zガンダムetc(ニュータイプ)

Vガンダム(赤ん坊)
となると思います。もしこの要約を認めてしまうと「Vガンダムはイデオンの二番煎じ」となってしまいます。私的にはVガンダムとイデオンを比較してVガンにしかない魅力を考えてみたいと思っています。

Posted by: himikonishinomaru | December 30, 2005 at 09:06 PM

レスポンスありがとうございます。
拙い文章のために少し誤解を招いたようなので
補足をさせてください。

「まあ、AKIRAを出すならマモーもあるし、ドーラの影響を言うなら他の宮崎アニメや富野監督も関わったハイジなどもあり、影響をどこまでみるかは各人におまかせですが・・」

と書かれていますが、これは誤解です。こちらとしては 

「私見ですが、「老人」というモチーフを採用した理由は、当時流行していたからだと考えます。」

と書いています。つまり「当時」なのです。マモーやハイジは当時すでに過去の作品になっていたと思います。だから私見をより正確に伝えるためには、ドーラよりもっと適切な例はあげるべきでした。榊清太郎 in パトレイバー、剣部シバラク in ワタル、幻海 in 幽遊白書、亀仙人 in DB、機関長 in ナディアなどなどです。結論をいうと1990前後、元気な老人というモチーフはアニメで流行っていたということです。

Posted by: | December 30, 2005 at 09:41 PM

剣部シバラクを忍部オジジに訂正です。
たびたびごめんなさい。
あと蛇足ですが、
メダマ、スナカケ、コナキ in 鬼太郎、
整備を手助けする老女達 in 紅の豚
あたりも見逃せません。

Posted by: himikonishinomaru | December 30, 2005 at 09:53 PM

サイキッカーというモチーフに関しては、これも当時流行っていました。ひとつ例をあげるなら「ナイトヘッド」という深夜ドラマです。Vガンダムに盛り込まれたさまざまなモチーフを吟味して、当時流行っていたもの(同時代の風俗を伝えるもの、とでも書き換えておけば評論らしく聞こえるでしょう)を振り落としていくと、さて何が残るでしょうか。それは拙文冒頭で述べた長浜忠夫アニメだといえます。

Posted by: himikonishinomaru | December 30, 2005 at 10:27 PM

別に長浜アニメや当時の他作品(私からみると随分広い時代の作品にもみえますが・・)との関係を否定しようとは思いませんので、それらをベースに、是非「Vガンにしかない魅力を考えてみたい」というようにがんばってください。
おっしゃりたい趣旨は理解できましたので。

Posted by: yasuaki | December 31, 2005 at 09:35 AM

長浜忠夫を取り上げてしまったために無用な混乱を招いてしまいました。長浜アニメの話は切り離してご理解いただけるとありがたいです。

80年代後半から、F91あたりまでを同時代とひとくくりにすることは妥当だと考えます。老人というモチーフはやはりこの時期を特徴づけるものです。
5,6年間を一時代にまとめるという考え方は、時代の変化が加速度的に早まっている今日でも十分な短さと言えると思います。

いまVガンに関して考えていることは、F91とターンAを中継する作品として見直してみる、ということです。

率直に書けば、Angel HaloのAngelとエヴァのAngelは直接には関係ありません。Angel Haloは森永のAngel pieと関係しています。

また、Angel Haloは「洗脳」マシーンなわけですが、「洗脳」というテーマは日本のアニメ、特撮ヒーローもので戦後一貫して描かれたテーマです。したがってVガンに特徴的なテーマではまったくありません。

Posted by: himikonishinomaru | December 31, 2005 at 01:01 PM

ふたつの話を同時に書いてしまったためにあり得るべき誤解を招いてしまったようです。ふたつの話とは、
①当時のアニメ、映画などで流行していたモチーフ
②時代によらずアニメによく取り上げるモチーフ
についてです。
「赤ん坊」、あるいは「洗脳」というモチーフは②のほうです。海外のサイトでこのモチーフについてまとめているサイトをみつけたので紹介します。
http://www.angelfire.com/fang/tamaleknight/hypno_mc_anime.html

Posted by: himikonishinomaru | December 31, 2005 at 02:08 PM

「赤ん坊」、「洗脳」というのは、たしかによくあるモチーフだと思いますよ。私がHPで言いたいのは、もともと富野作品ではガンダム以前からそのモチーフが存在し、「機動戦士ガンダム」では出なかったものの、「逆襲のシャア」で出る寸前までいき、最終的に「Vガンダム」で前面に出てきたという流れです。なぜ、ガンダムシリーズでは封印されていたそれらのテーマが、あのタイミングで前面に出てくることになったのかというのが、考えたいテーマです。つまり、監督史の視点ですね。
まあ、視点はいろいろあるので当時のアニメの流行や、普遍的なテーマとの比較で見る視点もあると思います。
ちなみに、エヴァとVガンダムの比較は「Angel」という言葉のみならず、庵野監督自身がVガンダム放映時/エヴァ企画時に強くおしていたのと、高橋良輔監督が「Vガンが一点でも突き抜けていたらエヴァの出番はなかった」という言葉に同意していたのを見て考えさせられたのがきっかけです。

Posted by: yasuaki | December 31, 2005 at 04:30 PM

3部作というスキームをつかうなら、

機動戦士ガンダム

逆襲のシャア

機動戦士Vガンダム

ではなくて、

逆襲のシャア

機動戦士ガンダムF91

機動戦士Vガンダム

で考えた方が、エンジェルハイロゥを理解するには適切であると考えます。

なぜならば、「地球人類を粛正する」ことを後者の3部作では扱っていますが、機動戦士ガンダムでは扱っていないからです。

なぜ、機動戦士Vガンダムにおいて地球人類粛正の方法がエンジェルハイロゥのようなサイキックなものになったのかという問題を立てたとして、答え方にはいくつかあります。

1.クリエイターのインスピレーションに帰す
2.逆シャアとF91は映画、Vはテレビというメディアの違いに帰す。
3.前作との差別化を目指した結果、表現がより先鋭化された。
4.多作品からの影響
5.1993-4年の社会事情あるいは世界事情を反映

などなどです。

Posted by: himikonishinomaru | December 31, 2005 at 06:47 PM

Vガンダムに連なるもうひとつの3部作スキームを提示しましょう。

天空の城ラピュタ

ふしぎの海のナディア

機動戦士Vガンダム

というスキームです。これらのアニメに共通しているモチーフはいくつあげられるでしょうか。

1.少年は空を飛ぶことに関心を持っている。
2.少女は流離した貴種である。
3.少年は女性から裏切られる。
4.人類を圧倒する強大な兵器
5.聖書から用語を引用している。
6.SFである。

などなどです。

Posted by: himikonishinomaru | January 01, 2006 at 12:33 AM

別にそれらのスキームにどうこういう気はありませんが、私的には、あまり関心わきません。特に、他作品の影響や世相との関係、他の作家の作品との関連は、必ずあるものなのですが、それを指摘したからといって、まえにご自分でおっしゃっていたように、どうVガンダムの魅力が増すものなのでしょうか?書くのであれば、そういう話を書いてもらえると、こちらにとっても興味深いのですが・・
とくに、それらの指摘は、どこまでが本当で、どこまでがこじつけか、見極めがむずかしいものです。エヴァンゲリオンのときはその最たるものでした。いたるところに、あの作品の影響、あの事件の影響、みたいな批評ばかりで・・。もし、ヒマがあったら私のエヴァページの「エヴァンゲリオンのオリジナルについて」など読んでいただければ、こちらがやりたい分析が多少は伝わるかもしれませんが・・
いずれにしろ、書くのであれば、「こう考えたほうがVガンダムは魅力的だ」か、「マネばかりだからVガンダムはつまらない」といっているのか、わかるようにしてもらわないと、いろいろな作品と似ている点や分析スキームを提示されても、だからなんなのか(その作品がいいといっているのか、悪いといっているのか)よくわかりません。

Posted by: yasuaki | January 03, 2006 at 07:41 PM

あと、言い忘れていましたが、リアルロボット、スーパーロボットという区分は、(私も良いわけ方ではないと思いますが)、スーパーロボット大戦の文脈を離れて使われている単語です。
サンライズが様々な作品で使っていますし、スタッフの方のインタビューでも同様です。
「リアルロボット」という言葉がいつ登場したかは正確には確認が必要ですが、「リアル」という表現は当時からよく使われていました。代表的なのがダグラムやボトムズですが。
スーパーロボット大戦はそれに乗っかったのでしょう。

Posted by: yasuaki | January 03, 2006 at 07:49 PM

まず、批評の目的は批評する対象の魅力を増すためである、というお話は本当にその通りだと思います。しかし、このお話と、「その作品がいいといっているのか、悪いといっているのか」という考え方とは少しズレています。なぜといって、あるアニメを取り出して「いい」か「悪い」かどちらかに一刀両断決められないからです。
はっきりいって、Vガンダムについての批評は全然だめだと思います。それはなぜならエヴァにつながる作品という位置付けでVガンダムを見ているからです。なによりも事実認識に置いて誤謬が散見されます。Vガンダムの特徴として述べられていることはほとんどすべて、Vガンダムが放送される直前の数年間に放送されていた他のロボットアニメに共通しているからです。

Posted by: himikonishinomaru | January 04, 2006 at 01:54 AM

リアルロボットとスーパーロボットという対比について、誤解されているようです。こちらがいいたいことは「リアルロボット」という言葉がスパロボに始まっている、ということではなくて、「リアルロボット対スーパーロボット」という概念がスパロボに始まっている、ということです。字義そのものからいえば、リアルロボットとスーパーロボットは互いに排他的な言葉ではないです。第一スパロボ自体、タイトルは「スーパーロボット大戦」なわけでガンダムだって、本来的にはマジンガーだってスーパーロボットなわけです。スーパーロボット大戦のシリーズはすすみ、登場するロボットは増え、結果、登場するロボットを分類する必要になって実際はガンダム系、マジンガー系なのをリアルロボ系、スーパー系ロボと一般名詞に言換えただけなのです。
話をもどすと、Vガンダムに、ファーストには登場しなかったような「化け物」的なモビルスーツ、モビルアーマーを登場させた、といったような記述に強い違和感を感じたからです。何を「化け物」と感じるか、という問題は差し置いても、ザクレロ、ビグザム、ジオングはどう見たって「化け物」ではありませんか?zでいば、ハンブラビ、ガブズレイ、バウンドドッグ、キュビレイは「化け物」だし、もし、昆虫的というのであれば、ダンバインなんてまるまま昆虫です。なので、Vガンダムに至ってファースト以前の「化け物」が復活したという話はウソです。
何を「化け物」と感じるかは相対的なものです。だから、Vガンダム放送当時、ロボットアニメにどのような怪獣が出てきたかを知っておかなくてはいけません。そういった意味で、当時の作品を議論に持ち出すのです。ここでは詳述しませんが、当時のロボットアニメの状況を考えると、Vガンダムに登場したモビルスーツは「化け物」とはとても言えません。
 つまり、シリーズを通しても、当時を振返ってもVガンダムのモビルスーツは「化け物」とはいえません。

Posted by: himikonishinomaru | January 04, 2006 at 02:29 AM

「エヴァンゲリオンのオリジナルについて」のオリジナルについて、なんて猪口才なことを考えてしまいました。

TV版と映画版の最終回を比較して、神話変換公式を用いてそれらは同じ物であることを書かれたエッセイは本当に面白かったです。

Posted by: himikonishinomaru | January 04, 2006 at 03:52 AM

「エヴァンゲリオンのオリジナルについて」を拝読してまず、よく分からなかった点は、

製作者が作品に完全にシンクロしきった場合、どういうことが起こるか、わかるだろう。

というところです。「作品に完全にシンクロしき」るとはどいう状態なのでしょうか。シンクロとは人格をもったもの同士でないと成立しない概念なのではないでしょうか。だから、エヴァでシンジと初号機のシンクロ率は何%とかいったようなはなしになったとき視聴者は初号機は人格(魂?)をもっているのではないだろうかと思えたのです。もちろん人格をもっとものは狭義の人間とは限りません。人格というとおかしいけれど、ペットやキャラクターに人格を認めてこれらにシンクロする人だっているでしょう(役者にとってはキャラクター、霊媒師にとっては死者など)。しかし、映画それ自体に人格を認める、ということは概念的にも実感的にも理解できません。

Posted by: himikonishinomaru | January 04, 2006 at 05:03 AM

−しかし、それでもオリジナルにこだわるのは?

庵野 「それは自分という存在がフィルムに残るからでしょうね」

これは素直に読めば、

オリジナルにこだわった→自分という存在がフィルムに残った

という因果関係ではなくて

自分という存在がフィルムに残ってしまう→オリジナルにこだわらなければいけない

というはなしなのではないでしょうか。

Posted by: himikonishinomaru | January 04, 2006 at 05:34 AM

何度もくり返しますが、
リアルロボット=ガンダム系
スーパーロボット=マジンガー系
です。

さて、

「リアルロボット」という言葉がいつ登場したかは正確には確認が必要ですが、「リアル」という表現は当時からよく使われていました。代表的なのがダグラムやボトムズですが。
スーパーロボット大戦はそれに乗っかったのでしょう。

ということですが、これはとても興味深い誤謬です。つまり、結果的には

スーパーロボット系=バンダイ系
リアルロボット系=ダグラム、ボトムズつまりタカラ系

というナンセンスではない分類になっているからです。系統樹を書くと

       マジンガー
 バンダイ系<
       ガンダム

       エクスカイザー
 タカラ系 <
       ダグラム、ボトムズ

となります。

Posted by: himikonishinomaru | January 04, 2006 at 05:54 AM

なぜ、Vガンダムは原始的なのか。それは、敵対組織が、ガンダムシリーズ史上に空前絶後な「悪の組織」だからです。
そもそもガンダムシリーズのリアリズムとは綿密緻密な設定を背景に「戦争」をシミュレーションしていることです。「戦争」ですから、勧善懲悪は描かれることはありません。味方=善、敵=悪ではないのです。
しかしVガンダムは大きく異なっています。ザンスカール帝国は「悪の組織」です。いちいち詳述しませんが、完全に悪としか形容できません。なにせ、最終目標はエンジェルハイロゥによるジェノサイドですから(地上に住まう全人類を「幼児化」する、それではその「幼児」たちは誰が養育するのでしょうか。もちろん誰もいるわけはないのです)。
もちろんVガンダムは他のガンダム同様に勧善ではありません。しかし、ガンダムシリーズで唯一懲悪を描いた作品です。ゆえにVガンダムは「原始的」なのです。モビルスーツのデザインなどは全く関係ありません。

Posted by: himikonishinomaru | January 04, 2006 at 09:56 AM

「エヴァンゲリオンのオリジナルについて」について書き込みました上記のコメントは、改めて考えてみるとかなりズレていました。

エヴァについて考える時、まず、銘記しなくてはいけないことは第25後半と第26話劇場公開(1997年7月19日)前後でエヴァに対する言説は大きく変わったということです。

結論からいえば、エヴァは反戦映画です。そのことは97年7月の劇場版を見るまで分かりませんでした。それまで、「プライベート・フィルム的」に捉えられていたエヴァでしたが、劇場版以降、そのような捉え方はされなくなりました(少なくとも、そのような出版物はなくなったと思います)。

唐突に反戦映画といわれて、コジツケだ、という反論もありそうなので、説明しましょう。ある雑誌で庵野監督は岡本喜八監督と対談しています。そこで、庵野監督は「「沖縄決戦」は、僕が生涯で一番何度も見た映画」であると明かしています。もし、エヴァを心理学的に見たならば、シンジは成長しないキャラクターです。しかし、エヴァを反戦映画として見たならば、シンジは所謂「良心的兵役拒否」をしているだけです。TV版と映画版の最大の違いは対人戦を描いているかどうかです。そして、映画版においてシンジはアスカとは対照的に対人戦にまったく参加していません。97年春では第25話の前半部までを公開するにとどめました。このとき劇場で見た観客はアスカ対戦略自衛隊に血湧き肉踊らせたと思います。あの半死半生だったアスカが見事に復活したばかりかエヴァ2号機の圧倒的な攻撃力を見せつけられたのですから。しかし、これは庵野監督のしかけた巧妙なトリックだったわけです。(と、ここまで書いてネタバレになっていることに気がつきました。なので以下具体的な話は省略します。)
いずれにしてもエヴァについては1997年7月以前と以後とでは捉えられ方に大きな変化を来した、そしてその変化とはメタフィジカルからフィジカルへといった根本的なものだった、ということを指摘して終わりにします。

Posted by: himikonishinomaru | January 04, 2006 at 11:57 AM

いや、いろいろ興味深い論点をお持ちなのはよくわかりました。
しかし、論点も多数あり、ブログのコメント覧で議論してもきりがなさそうなので、たとえば、この点はこう考えるべきというご意見を、それぞれまとめてメールしてもらえれば、私のページの該当コンテンツのそばにのっけるなり、もしくは既にご自分のホームページ等で書かれているなら、そこへこちらからリンク貼るなりするので、後は読んだ人がいろいろ考えられるようにするというのはどうでしょうか?

私もいろいろ言いたいことはありますが、例えばVガンダム論ひとつとっても、エヴァにつながる作品ということが趣旨ではありません。
VガンダムページのVガンダム論を見て貰えればわかるように、まだ第一章しか書いていませんし、完成しても、エヴァの話は一言も書くつもりはありません。
別コンテンツとしてエヴァとの話は書くつもりですが、それはあくまでもVガンダムの本質論とは別枠の話として(アニメ史的な流れとして)書くつもりです。
そして、私のVガンダム論は、(他の私の書いたコンテンツ同様に)のろのろ数ヶ月がかりで、結構なボリュームになって完成するはずなので、今の時点でいろいろ批判するにしても、こちらが何を目的に書いているのか読んでもわからないはずです。

エヴァについても、いろいろな方の意見を掲載するコーナーも作ってあり、既にさまざまな意見を頂いておりますので、そういう載せ方も可能です。

ブログのコメント覧に書いた内容は一時的なものにすぎませんが、それぞれのホームページのコンテンツに関連させて載せれば、後から見た人にとっても興味深いものになるでしょうから、有益だと思いますが、どうでしょうか?

Posted by: yasuaki | January 04, 2006 at 12:52 PM

ながながとコメントしましてごめんなさい。なかにはよく校正せずに送信してしまったために変なところもあります。どうぞ、削除してください。

Posted by: himikonishinomaru | January 04, 2006 at 01:52 PM

いえ、コメントを削除するという話ではなく、いっそホームページの方に載せましょうかという主旨なのですが・・

Posted by: yasuaki | January 05, 2006 at 12:45 AM

「Vガンダム論 第一章」への反論点は次の二点です。

1.Vガンダムのモビルスーツは非リアル路線ではなくてリアル路線である。バイク戦艦は空中浮遊する戦艦よりはリアル。

2.Vガンダムが「原始的なロボットアニメ」なのはザンスカール帝国に原始性やストーリーの素朴性に起因している。モビルスーツのデザインなどには関係していない。

これらの点についてこちらのブログに記事を書きました。どうぞご参照下さい。
http://ofofofof.blogspot.com/2006/01/blog-post_05.html
http://ofofofof.blogspot.com/2006/01/blog-post_04.html

Posted by: himikonishinomaru | January 07, 2006 at 11:16 AM

リンクやトラックバック形式にしていただき、ありがとうございました。
遅くなりましたが、トラックバックの方にもコメントさせていただきました。
なお、今回のVガンダムの件では、一点、私とあきらかに違う見解なのは、ザンスカール帝国=悪という認識です。
むしろ、人間のエゴこそが悪の元凶ではないか?というのが、富野作品ではよく見られる傾向にあり、代表がイデオンだと思いますので。

Posted by: yasuaki | January 08, 2006 at 01:45 AM

いつも丁寧なコメントありがとうございます。

だからこそ富野監督は「Vガンダム」を失敗作といっているのだと考えています。

「ザンスカール帝国=悪の組織」→Vガンダムは失敗作
「人間のエゴこそが悪の元凶」→イデオンは成功作

です。

Posted by: himikonishhinomaru | January 08, 2006 at 11:35 AM

http://ofofofof.blogspot.com/2006/01/blog-post_05.html
http://ofofofof.blogspot.com/2006/01/blog-post_04.html
を一部訂正補訂しました。よろしくご参照の程を。

「ザ帝国=悪の組織」でいう「悪」と哲学的な「悪」とは別概念です。ザ帝国は、ガンダム史上もっともダメダメな組織だったと思います。いい換えればマリアやカガチは指導者として無能で、どのように高邁なあるいは清廉な思想をもって行動していたとしても結果として「悪の組織」としかいえない行動になっていた、ということです。つまり、Vガンダムを見てカガチに感情移入できますか?ということです。

Posted by: himikonishinomaru | January 09, 2006 at 06:07 AM

もし、「ザ帝国=悪の組織」を否定しようとするならギロチン(恐怖政治由来)や「浄化」(ユーゴ紛争由来)という、一般には「悪」とみなされているタームを「悪」ではないと否定しなければいけません。これは難題です。
どうやら哲学的な「悪」と政治的な「悪」を区別する必要はあるようです。

Posted by: himikonishinomaru | January 09, 2006 at 06:26 AM

私は、しつこいようですが、Vガンダムのテーマ(とくにザンスカールの意義)はイデオンのテーマに近いと思っています。
もし、イデオンを未見であれば見ることをすすめます(映画だけでも)。
もし、既に見られているのであれば、私としては、やはり、人それぞれ意見は違うものだなーと納得する以外、なにも言うこともないので、今後はコメント等はとくにしません。
ただし、トラックバックやリンクなどはしていただければ、文章自体は必ず読ませていただきます。(コメントはつけませんが)。

Posted by: yasuaki | January 09, 2006 at 12:52 PM

なぜかトラバできませんでした。URLにリンクをはりましたのでどうぞご参照下さい。タイトルは「2001年宇宙の旅」です。

Posted by: himikonishinomaru | January 09, 2006 at 06:36 PM

ごめんなさい。URLはり忘れました。今度は大丈夫です。

Posted by: himikonishinomaru | January 09, 2006 at 06:37 PM

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» 機動戦士Vガンダム [のののの]
さて、ここまでの検証から結論できることは、あるアニメ番組はかならず同時代に制作放送されたアニメと密接に関係しているということです。 [Read More]

Tracked on December 31, 2005 at 01:59 AM

» 機動戦士Vガンダム [のののの]
過去のアニメ番組について、制作され放送された当時の風俗を番組から掘り起こして懐かしむ、というスタイルの批評は最近あまり見られなくなりました。理由は明らかでしょう。ここ [Read More]

Tracked on December 31, 2005 at 02:01 AM

» Vガンダムと過ぎ去りし未来(Future Past) [のーとののーと]
 とにかくリンクしたイラスト、イラストを見てください。これってあのバイク戦艦ですよね!!SFマニアなら知っていて当然のことでも、SF知らずのアニメファンには新鮮な知識でした... [Read More]

Tracked on January 22, 2006 at 07:08 PM

» 「☆開運☆野望神社☆」第十四回で生天目仁美が能登麻美子への愛を歌い上げる!! [ドリディク〜そして伝説へ・・・〜]
2月8日(水)最終更新16:00 雑記もよろしく〜 おおww自分も聴いてましたよぉww いやぁこの三角関係は最強ですww 「☆開運☆野望神社☆」第十四回で生天目仁美が [Read More]

Tracked on February 08, 2006 at 05:08 PM

» YouTube アニメ 情報 - ロボットアニメ名場面1 マジンガーZ編 [YouTube アニメ・ヒーローもの 無料動画]
YouTube アニメ 情報今日入手した「YouTube アニメ 情報」 をお届けします。!YouTube アニメ 情報 で仕事の合間のリラックスに。YouTube アニメ 情報 で何気ない時間をちょっと刺激して。YouTube アニメ 情報 で気持ちを癒して。「YouTubeアニメ情報」で...... [Read More]

Tracked on April 01, 2007 at 04:38 PM

» ガンダム論の色々。 [ブログ黄泉]
Vガンダムとはなんだったのか(Zガンダムからエヴァンゲリオンへ) Vガンダムって、あの登場キャラを殺しまくったやつですか。 あれはすごかった。 いろいろな意味で。 人型ロボットに思春期の少年が乗り込む理由 なかなか面白い。長文ですけど。 腐女子とガンダ..... [Read More]

Tracked on April 29, 2007 at 10:28 AM

» Alprazolam. [Alprazolam.]
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Tracked on May 17, 2007 at 04:54 AM

» Buy tramadol. [Buy tramadol.]
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Tracked on June 01, 2007 at 06:51 AM

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