関東地獄地震からエヴァンゲリオンへ
(注)誤解を与えるといけないので最初に書いておきますが、今回は永井豪作品がエヴァンゲリオンに与えた影響の一部のメモみたいなものです。考察というより、単なる紹介レベルです。
昨日は、関東で地震があり、震度5を記録しました。
体感的には、私の知っている地震の中では、一番大きかったのですが、しょせん短い間であり、まさかその後あれほど交通機関がストップするとは思いませんでした。
もし、平日だったら、ホテルでは収容しきれないでしょうから、会社にとまったり、野宿するしかない人が多数現れたのではないでしょうか?
さて、日本では関東大震災や阪神大震災など、多くの方が犠牲となった地震が一定周期で起きており、あんまりいい加減なこと言うのもはばかられるのですが、一応、このブログの性質上、アニメ、マンガ系の話題で書いておきます。
小説「日本沈没」の影響かもしれませんが、大地震をテーマにしたマンガというは時々あり、さいとうたかお氏の「サバイバル」は、その時のための実用マンガ(?)だったと思いますし、最近だと川口かいじ氏が連載していますが、こちらはちゃんと読んでないので、語れません。
このブログの方向性から言って、一応ひとこと語る必要があるのが、永井豪の「バイオレンス・ジャック」です。
これは、「関東地獄地震」という大地震が徹底的に繰り返し関東を襲った結果、完全に見放され無法地帯となった関東を舞台としたマンガです。
子供の頃読んだときには、関東地獄地震で関東が崩壊するさまは、本当に怖かったものでした。特に、小説版の第一巻は、背筋が寒くなるほど怖いものでした。(マンガ嫌いな方は是非小説版を。永井豪作品の、実兄永井泰宇氏による小説版は、どれも下手すると原作以上です)。
崩壊した関東をメインに話は進むのですが、少年雑誌に連載時と青年雑誌に連載時で雰囲気は変わるものの、永井マンガの主要人物総出演のマンガです(マジンガーZからキューティーハニーから、あばしり一家から、学園退屈男から、その他もろもろ)。もっとも、パターンは同じで、永井マンガの主人公達が現れ、悪者にしいたげられ、最後には謎の巨人バイオレンス・ジャックがでてきてジャックナイフで悪者をやっつけて去っていく・・という話が数十冊続きます。
正直言って、あまりに同じパターンが長くて全巻まともに読むのはおすすめできないレベルなのですが、それでもこの作品が注目されるのは、名作のマンガ版「デビルマン」(テレビ版とはあんまり関係ありません)の続編という位置づけになっているからです。
もっとも、本人がそう気づいたのは連載終了3ヶ月前とのことですが・・
どういうことかというと、「デビルマン」のラストというのは、人類が全滅し、デーモン族の争いとなり、最後、デビルマンも死に、飛鳥了(実は大天使で、デビルマンの敵で、元親友・・これじゃ意味不明か)と2人で夜の海辺にたたずむシーンで終わります。
(これが、後に、映画エヴァンゲリオンのラストシーンの夜の海辺のシーンの元ネタと言われるわけですが・・。実際、エヴァンンゲリオンに対する永井作品の影響は強いものがあります。
庵野監督は、最初、映画のアスカの2号機が量産機にやられるシーンも、ロンギヌスの槍で2号機が生首さされて突き上げられるシーンにするつもりだったそうですが、あまりにもデビルマンと同じ(ヒロインが槍で生首さされて突き上げられる)展開なので、やめたそうです。もし実行していたら、映画のエヴァンゲリオンは一層、凄絶な映画となっていたでしょう。)
そして、「デビルマン」を描いたことで、永井豪の精神も深く傷つき、その直後に描いた「バイオレンス・ジャック」が、崩壊した関東を舞台にした復興(本当に復興するのはラスト1~2ページですが)となります。
そして、ラストで、「バイオレンス・ジャック」とは「デビルマン」の物語の続編であり、「関東」とは、実は親友である不動明(デビルマン)を殺害した飛鳥了が、彼を復活させるために作り上げた土地であり、謎の巨人バイオレンス・ジャックとは不動明=デビルマンの復活した姿に他ならないことがわかります。
(以上、意味不明かもしれませんが・・気にしないでください。気になる人は、借りるか、デビルマン全編+バイオレンス・ジャックの最初(少年誌版)と最後(青年誌版)だけ買うかしましょう。永井豪ワールドが好きで好きでたまらない人は、迷わず全部買ってください。)
最後は、2人の男(というか、大天使と悪魔というか)の戦っているんだか愛し合っている姿なのかわからないような感じで終わるのですが、このイメージも、一方ではシンジとカヲルの姿にかさなり、一方ではシンジとアスカのラストの首絞めに重なります。
以上、紹介が長くなりましたが、興味深い点は、
・永井豪は、世界の滅亡の物語を書いた反動で、今度は、続けて世界の復興の物語を描いたこと
・その物語の中で、「デビルマン」で世界を滅ぼして傷ついた飛鳥了が、その自責の念に耐えかねてまた世界を復興させ、デビルマン=不動明が自分を倒せる場を提供するという、精神分析的な(?)話になっているということ。
つまり、作者の内面と登場人物の内面がシンクロしているところがあるところです。
そして、それらの点は、そのまま、エヴァンゲリオンにおいて、シンジが、人類補完計画のあとに、再度世界を願うのと、話の構造(パターン)としては同じであると言うこと。
また、エヴァンゲリオンのラストは、「デビルマン」のラストの夜の海辺の砂浜のシーンと、「バイオレンス・ジャック」のラストの首をしめあう(ちょっとうろ覚えです)愛する二人のシーンが合体しているようにも見えるということ。
そもそも、対立する2種族(人類とデーモン族)といい、キリスト教のモチーフの多用といい、エヴァンゲリオンが永井豪作品から受けた影響は数知れずあります。
このへんは、エヴァページ開設当初から分析予定でしたが、まだ作ってなかったので、今回のブログはそのためのメモの一部ということにして、本格的な分析はエヴァページの方でやろうと思います。(今回は永井豪作品の一部に偏りすぎてしまいました。本格的なエヴァとの比較分析はマジンサーガがメインになります)
(参考)一番左は、等身大デビルマン38万円だそうです(TV版みたいです)。凄いですねー。欲しくはないけど見たいものです。次のデビルマンのマンガは、読んでない方は読んでおきましょう(バージョンはどれでもいいと思います。写真は文庫版)。次がバイオレンス・ジャック(少年誌のもの)、最後が青年誌のものです。このへんはバージョンもいろいろあります。永井豪作品が好きな方向けです。(文庫もあったと思います。少年誌-青年誌両バージョンを統合してたかも)。最後のは、ソフビ版のデビルマンですが、凄い迫力ですねー。
TrackBack
TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/95880/5135105
Listed below are links to weblogs that reference 関東地獄地震からエヴァンゲリオンへ:







Comments
トリトン族のルカーです☆
お帰りなさい。そしてはじめまして。帰国されるのを待ってました。
エヴァの方の書き込みから飛んできました。(印刷したら120ページくらいありましたよ。)
ところで、バイオレンスジャック全編読んだのですが、ジャックは何故3人なのでしょう?まさか、あれって三位一体じゃないですよね。キリスト教より前のメソポタミアにあった考え方の方の父と子と聖霊(女)。。。
所詮無理があるオチですが、それにしてもデビルマン=ジャック3人合体とは。
Posted by: ルカー | August 03, 2005 at 01:01 AM
ルカーさん、ありがとうございます。
120ページですか・・凄いですね。しかも、まだまだ書きたいテーマもあるし・・
バイオレンスジャック全編よみましたか・・それもすごいですね。私は正直、ちょっと苦痛でした。(全巻購入してます・・)
そういえば、3人でしたねぇ・・。言われてみれば、三位一体のイメージなのかもしれません。うーん、何かいい解釈あるか考えて見ます・・無理のある設定であることは確かですが。
Posted by: yasuaki | August 03, 2005 at 10:40 PM
こんばんは☆ルカーです。
ラストは元バイオレンスジャックのデビルマンが飛鳥の両の二の腕を掴み大気圏内?外?から地球へ突入する
形で終わりますね。元熾天使の二人としては
力量的には同等のはずだから勝敗はつかないのかな。
あの話はあのまま女性陵辱的な地獄地震後のストーリーにしておけばよかったのに、と思います。「デビルマン」が勿体無い。
Posted by: ルカー | August 04, 2005 at 12:17 AM